なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

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読書記録 2020年4月

リターン (五十嵐 貴久)※ネタバレあり 

リターン (幻冬舎文庫)

リターン (幻冬舎文庫)

 

前作の「リカ」を読んだのは中学生のときくらいかな?

割とゾッとする話で、個人的にもお気に入りの本だった

ただ、めちゃくちゃ後味の悪いええ感じで終わったと思いきや、変なエピローグで急に興ざめしてしまったことだけは覚えてて、こいつはいらんこと付け足す人間かもしれん とは危惧していた

 

予感は的中

 

婚約者のバラバラ死体を発見した女がその日のうちにに優雅にコーヒー飲んじゃったり、拷問中に頑なに犯人を挑発した結果案の定目ン玉えぐり取られるとか

登場人物のメンタルが化け物すぎて全く感情移入できない

そして極めつけの、主人公の女が犯人と電車の中で対面するシーン

ラッシュの中央線の車内で犯人に薬を嗅がされ気絶し、気がつけば拷問部屋っていう流れやねんけども、犯人は乗車率150%くらいの車内で薬によって女をぶっ倒してそのまま女を担いで改札の外まで持っていくってどういうことやねん 誰か通報しろや 他人に冷たい東京でも度を超えてるやろ

筆者は中央線って中津川とかあのへんしか走ってない過疎路線やと思ってる?気絶した女を担いでたら中津川でも通報されるからな?

 

あと、この本の中ではマスコミの過度な取材と挑発によって主人公たちが追い詰められて、日本のマスコミがいかに糞かってのを長々と書き連ねるシーンがあるねんけど、いやそれお前の個人的な主張やろってなった

マスコミはクソ!!の内容も中学生が書いたみたいで、この本で唯一ゾッとするシーンはそこでした

電車の中でちょうど読み終えたタイミングで最寄り駅へ到着 何のためらいもなく人生で初めて文庫本をゴミ箱へ山なりに放り投げる

本自身も自分の価値を悟っているのか、何の抵抗もなく直立不動で闇へと消えていきました

 

十二人の死にたい子どもたち (冲方 丁)※ネタバレあり

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)

  • 作者:丁, 冲方
  • 発売日: 2018/10/06
  • メディア: 文庫
 

こんな題名なんやから当然登場人物は最低12人登場するわけで、わかってて買ったはずやのにいざ読み進めて12人がちゃんと名前と自我を持っていることを確認した時点で、その情報量にキレそうになっていた

同じく10人程度のキャラクターが毎回登場する、映画「ファイナル・デスティネーション」シリーズにおいて登場人物全員の名前と性格を覚えているだろうか おそらくそんな人はあまりいないし、その必要もないのである

なぜなら死ぬから ご親切にもエレベータに首だけ挟まれたり日焼けマシンから出られなくなったりして、視聴者の海馬へ負担をかけることなく自ら退場していってくださるのである

 

しかしこの本は違う 本当に恐ろしいことに最後まで誰一人死なない

死にたい子どもたち十二人が 誰一人 死なない

そして 名前と 自我がある

しかもパワーだけが取り柄の屈強な黒人もいなければ、常に酒を浴び続けるヒスパニックもいない

全員が日本人である

 

こんなもの25歳の俺の頭は処理できない 25はROUND関数で一の位を四捨五入するように設定すればなんと30になる

アラサーにこんな本は読めないし、こんな本に海馬の容量を使ってられない

しかも本の舞台となる病院の構造もマジでよくわからんし、加えて12人がどこでどう動いたか、誰が何番目にここを通ったかとかいう発狂するような話を延々と聞かされてもうグッタリしてしまう

でもこれだけの苦労をしても話が面白ければもちろん良い本であるが、単純に話が面白くない

大半の小説には、解決へと導きたい「問い」というものがあって、その大きな問いを追いかけて読者も本の世界に没頭できるのであるが、この本についてはその問いが恐ろしくつまらない

途中から、頼むけえ何人か死んでくれとしか思えなくなる、自分に恐ろしくなるような小説であった

こんな本を読むくらいであれば、ファイナル・デスティネーションシリーズを見て欲しい 脳を空っぽにして、洗い物をしながら観賞可能である

 

向日葵の咲かない夏 (道尾 秀介)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

 

カスみたいな小説ばかり読んで気が滅入っていたところに現れた救世主

久々に寝る間を惜しんで読み進めた本、気が付けば明日仕事やのに深夜1時 とかやった

ぶっ飛んでる本やのになぜか懐かしい感じもするし、切なさもあるし、色んな感情になる本

正直言って、最後の解決の仕方も雑やし、なんやねんこれって普通はなりそうなもんやのにそれでも嫌な気分には一切ならず最後まで面白い

人によっては、カスみたいな本 という評価を下すかもしれんけど、自分はお気に

そして気がつくけど、つまらん本のほうが感想の文字数が多くなりがち 本当に良い本はあんまり書くこともない

 

未必のマクベス (早瀬 耕) 

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

未必のマクベス (ハヤカワ文庫JA)

 

これは難解

読書家の友人Sに難解かどうか確認したら「私もわからん」って言うてたし、Sの友人もわからんって言うてたから、わからんのやと思う 3人連続でわからんって答えたら、それは世の大多数がわからんのではないでしょうか

めちゃくちゃ大枠で捉えたら、また感想書くけど筒井康隆の「エディプスの恋人」に似てる

でも、割と論理が跳躍するエディプスの恋人と比較しても圧倒的に難解である

俺に是非マウントを取りたい人間はこの本の真意を事細かに述べてくれたら、JR東海のCMの牧瀬里穂くらい頭下げます

 

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