なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

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旬の越前ガニの味は 言語化可能なのか

衝動

きっかけがなにであったかもよく覚えていないけれども、とにかくカニを食いたいと衝動的に頭に浮かんだ

極上のカニはどこで食べられるだろうか

やっぱりこの近辺だと福井か兵庫?

極上のカニを食べるのならば、それとトレードオフになにか支出を抑えなければいけない

そこで今回は18きっぷで移動することにし、兵庫よりはまだ移動時間が短くて済む福井に行こう!と思い立った(兵庫のカニ食える地域はマジで遠い)

普段は自己主張なんてあんませんけども、外出や旅行に関しては、“俺がここに行きたい・これがしたい”から誰か一緒にきてね というパターンが多く、まず人を集めてそこから行き先を決めて・・・というプロセスを踏むことはあまり多くない

そして、今回も一緒に来てくれる友人が見つかった ラッキー

 

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福井へ

始発に乗り片道4時間かけてようやく福井へ到着

さあカニを食べるぞ! の、その前に(引用:お父さんのためのワイドショー講座)

 

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カニと温泉はセットだと日本人はなぜかDNAに刷り込まれているので、加賀温泉郷へ

 

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みんな大好き古総湯

内装がとにかくいい意味でアホ丸出しで感動してしまう もうアートの域 美術館に来ました

 

大学4年のときにも来たことがあって、そのときはお湯に浸かりながらステンドグラスをぼーっと眺めてるだけやったけど、今回は友人が発見した“お湯に反射するステンドグラスを眺める”というのをやってみたらもうガンギマリ

薬物キメたらマジでこんな景色なんやろうなと思える色彩の暴力に頭がクラクラする

浴槽に浸かっていた若者に、友人が「こっちから見たらめっちゃええですよ」と薦めるもビックリするほど無視される

一流外資コンサル勤務の友人の助言、ビジネスの場ではどれほどの付加価値がついているのか

そんなことはいざ知らず、助言を受け流す若者の横顔は凛々しかった

極度に自立した彼が輝けるフィールドを日本のどこかに用意してあげてほしいと思った

 

 

そんなこんなで晩になり、やっとこさメインの越前ガニへ

福井駅前の「らでん」ってとこがうまいらしいのでそこへ

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メニューを見る

 

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ひっくり返る

これ小数点以下第一位も書かれてる?温泉に浸かってるうちに死ぬほどインフレ起きた?うちの文鳥は2,000円やったけども命の価値とは??

それにしても越前ガニが本当にこんな値段をするのなら、なんらかの理由で会社をクビになったらとりあえず福井にカニを捕りに来ようと思う

 

とりあえず、予算も無限ではないので、「大」を頼むことに

しかしサイズが「大」から始まってるのも画期的やなーと「主」ってなに?何に対して?

そして基準が「大」というのは少し不安にもなってしまう

M-1ザ・パンチに92点をつけるようなものではないだろうか

大の上のサイズの伸びしろがあまりないが故に、基準を無理やり「大」としたのではないかと訝しんでしまう

 

 

 

 

 

 

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すんませんでした!デカすぎる!大将よそ見すんな頸動脈チョキーンいかれんぞ!!

海なし県に住んでるからサワガニしか見たことないけど、海にいるカニがここまで大きいとは思わなかった

小林多喜二の「蟹工船」はまだ読めていないけれども、きっとSFパニック小説に違いない

 

 

 

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嘘です本当はこのサイズ

全ての動植物はヒトの統治下 なめんなよ

 

調理方法は、大将いわく“茹で”が1番美味しいらしいので、それに従うことに

 

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ででーん ボーナス入ったしちょっとくらい散財せんと!

 

身を口に含む

うお 美味しいが過ぎる これをどう表現するかで人生経験を問われる気がする

スラムで育ち、ヒップホップ一本で食ってきた俺の答えは

 

 

カニの味がするカニカマ」

 

 

であった

 

もちろん補足しないといけない こんな表現が許されるわけがない

アントニオ猪木に対して「春一番にそっくりですね!」と呼びかけるようなものである

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さて、越前ガニの身、これは繊維の一本一本が極度に自立しているのであった そう、古総湯で出会った若者のように

その繊維のあまりの自立性に、思わずカニカマにそっくりだと思ってしまったのだ

そしてこの繊維が集団となれば、それはもう大阪桐蔭高校吹奏楽部のような、個々が強烈な個性を持ち、かつ全体としてまとまった、感動的な味となるのである

また、口に含んでから味が拡散するまでのスピード感もすごかった

「味のCOVID-19やー!」俺の中の彦麻呂が叫ぶ

彦麻呂はおそらく下唇を噛んで“ヴ”の音を出すとかはできないので、“コビット”って言うのかな

 

このように、今考えると上記のように色んな表現が思い浮かぶ

しかし、あのときはカニカマとしか浮かばなかった

でもカニの味がするカニカマ、これは革命的に美味いのではないだろうか 意外とこの表現も素敵な気がする

ただそんな表現を店で口に出そうものなら福井駅前の地価にすら影響するような気がして、恐ろしくて言えなかった

 

そしてこれは食べてるうちに思ったことであるが、これほどまでに美味しいもの、わざわざ何かで例えるとかしなくてもいいのでは?

最近は様々な物事について「言語化」が求められる

少しでも抽象的なことを言おうものなら、すぐに「エビデンスは?」とか言われる 根拠って日本語使えや気持ち悪いねんボケ

そして「なんとなくこう」とか「理由はないけどこう」みたいなものは許されなくなっている気がする

本当に好きなものに理由なんてないことも多いし、この人とは合わないなぁなんていうのも直感的な部分が多い

白でも黒でもない、このグレーなゾーンの感情こそが、超人間的で自分は好きである

スポーツにおいて、「ルール的にはOKだけど、なんとなく嫌」だと思うプレーとか戦略、それは堂々と批判してもいいと思う

そこでルールブックだけを持ち出して「ルール的にはOKですけど?」と自分の主張になんの綻びもないようなドヤ顔をする人間は、なんとも面白くない

 

ああ嘘をついた こんなこと食べてるうちに考えてるわけない

越前ガニを前にすると本当にカニのことしか考えられなくなります

それほど、本当に美味しい もう表現は美味しいだけでいいです 美味しい

 

いやー 1年に数度は、このような圧倒的に美味しい食材を食べる旅行をしたいと思った 本当に

みんな誘ってほしいし自分からも誘います

 

もうこの域までいけば「人生経験」という名目の経費で落とせるからいくら使っても大丈夫

だいたい人間はなにかに失敗して金銭を失ったとき、「人生経験」として正当化しがちやけど、アホほど美味い食材に金を注ぎ込むことこそが本当の人生経験

失敗事は「経済循環」名目で経費へ

 

 

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福井県民、駅前の恐竜が好きすぎて幸福度高いらしい