昨日の関ジャムに若手フュージョンバンド「DEZOLVE」が取り上げられていた
”アルバムで聴いて欲しい!J-POPの名盤”のうちの1つのアルバムとしてDEZOLVEの最新アルバムが紹介されたのである
地上波の番組でフュージョンバンドがフィーチャーされることなどこのご時世皆無に等しく、思わずテンションが上がってしまった
個人的にはその前のアルバムの方が楽曲の完成度が高いと思うけれども、そんなことはさておきこれは快挙であった
さて全く話が変わるけれども、人生でアイドルに一切興味がなかった自分が最近推すことになってしまったアイドルがいて、それが「フィロソフィーのダンス」(通称「フィロのス」)であった
このフィロのスとDEZOLVEは話としてつながるのであるが、これは後に回すこととして
フィロソフィーのダンスとは
<Biography>
2015年、音楽的にはコンテンポラリーなファンク、R&B。歌詞には哲学的なメッセージ込めるというコンセプトの下、数々の有名アーティストを発掘し世に送り出してきた加茂啓太郎プロデュースにより活動を開始。
アイドルの枠には収まらない高い音楽性と歌唱力で話題となる。
2017年には2ndアルバム「The Founder」収録の、
音楽の歴史を振り返ったポップでキャッチ―なダンスチューン「ダンス・ファウンダー」が
Spotifyのバイラル・チャートで女性アイドルとしては初の1位を2日間記録!
2018年にリリースされた「イッツ・マイ・ターン/ライブ・ライフ」が
オリコン・デイリー・チャート1位、ウィークリー・チャート7位を記録。
2019年には全国10か所、自身最大規模の全国ツアー「Glamorous 4 Tour」を完走。
デビュー前からテレビ朝日「フィロのス亭」をはじめ、NHK「RAGAZZE!(ラガッツェ)~少女たちよ!~」での日本を代表する名だたるアイドルたちとの共演など、大型露出多数!
FUNK・SOUL・DISCOの名曲の香りをふんだんにまとった高クオリティな楽曲と
彼女たちのパフォーマンスは、数々の音楽ファンをうならせてきた。
そして2020年、満を持してソニー・ミュージックレーベルズよりメジャー・デビュー!
それぞれが独自の哲学で魅力をふりまく最強のベスト・フォーが、音楽業界に一石を投じる!(公式HPより)
会社の先輩に割と音楽に詳しい人がいて、その人に
「坂本くん、普段なに聴くの?」と聞かれたので
ジャズ・フュージョンやらユーミンやらの落ち着いたちょいダサミュージックが好きでして・・・
と伝えると、スッとオススメされたのがこのグループであった
「アイドルすか??」と、その場では疑問を呈してしまったけども帰って聴いてハマってしまった
アイドルといえばキラキラとしたエレクトロな感じや軽く弾む打ち込み音楽みたいなものを想像してしまうけども、このグループは違った
まずアイドルながら”バンドありき”のサウンドが画期的であった
そしてバンドと対等な存在として歌い手が存在し、それでもって4人ともまた個性豊かな声質と歌い方をするのである
そして音楽性も好みを突いてきた
ジャズ、ファンク、R&B、シティポップ等々 様々な音楽がセンス良くまとめられ、アルバムに散りばめられている
ちなみにどうでもいいけど上で貼った「ヒューリスティックシティ」はRippingtonsの「Tourist in Paradise」、「ライブライフ」は「IndianSummer」を連想させる
つまりどちらもめちゃくちゃ好み
このフィロのスの音楽性を担っていたのが、ほぼ全曲を作曲していた宮野弦士氏であった
彼のブログを読むとアルバムの曲解説というものがあり、それぞれの曲がどういった音楽やアーティストから着想を得ているか(完全にオマージュされた部分なんかも曲に混ざってる)、 サウンドや構成での工夫等が細かに書かれており、これを読むだけでめちゃくちゃ面白い
なにせ膨大な音楽の知識を有しているのがわかるし、彼抜きにしてはフィロのスは成り立たないことがわかる
失礼を承知で言ってしまうと、フィロのスに惚れたのではなく宮野弦士に惚れたのかもしれない
ご対面
勧められて3ヶ月後、俺はライブ会場にいた
生まれて初めてアイドルのライブに来てしまった
平日の18時開始のライブなのにスーツを着ているのは自分だけ
もしかしてみんなきちんと有給を取っているのだろうか
それがマナーなのだろうか
などと、開演前は非常に肩身が狭い思いであった
このライブに足を運ぶ決め手になったのが、このライブはバンドセットをつけて行われるというところであった
ちょっと見えにくいけど奥にキーボードやらギターやらが置いてある
ギター兼バンドリーダーは前述した宮野氏が務めるので、憧れの宮野氏にも会えるのであった
”生バンドとともに歌って踊るアイドル”
フィロのスの音楽性はもちろん好きであったが、これはもはや好みとか一旦置いといてアイドルとバンドとの共演というのは人生経験として目に焼け付けたいと思ってしまった
ライブが始まると、マルクス的には搾取される側である立場の服装であることは一旦忘れて、周りと一緒に絶叫した
楽しい
アイドルのライブはこんなに楽しいのかと思った
ただ、フィロのスに限っては密集して叫ぶよりも、1人あたり1㎡の面積が確保されたうえで曲に合わせて自由に体を動かしたい気分にもなる
ソーシャルディスタンスが謳われる現在こそ、客にきちんと私有地を与えた上で踊れるライブというものを開催してみたらどうかなんて思う
そしてこのライブで最も感動した瞬間、それこそ自分がこのグループに求めるものであった
それは4人が前面に出て歌っているようなシーンではなく、”アイムアフタータイム”という曲の「イントロ」であった
宮野氏のカッティングに、ベースの千ヶ崎氏が複雑な音の動きを軽やかにこなす
そしてその前で美しい女の子4人組がキレキレのダンスを披露する
このアイムアフタータイムのイントロで俺は完全にやられてしまった
俺が思い描いた桃源郷の景色が目の前に広がっていた
この日は家に帰ってからも夢見心地
すごいものを観たという高揚感
そしてこのグループはおそらく今後も様々な音楽を聴かせてくれるしそれにリアルタイムで立ち会うことができるという幸福感
この昂ぶった感情はいつまでも続くものだと思っていました
しかし・・・
2020年6月、宮野弦士がフィロのスのサポートから退くとのニュースが入ったのであります
つづく