なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

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音楽を雑に消費しないために

再会

昨日はHomecomingsというバンドのライブへ行った

 

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密はやっぱりいいですね

 

このバンドには2016年、大学3回生のときの学園祭で出会っている

当時の自分はこのステージを仕切る係についていたので、ステージの周りで雑用とかタイムキーパーとかをしていたはずで、Homecomingsもきちんと観ていなかった

ただ、そういった仕事をしながらでも音楽は耳に入ってくるものであり「おっ」と思うようなサウンドが聞こえてきたならばおそらく興味を持ったはずである

 

その後、映画「リズと青い鳥」の主題歌にて再びこのバンドと出会うのであるが、こんな感じの曲書いてたっけな??という印象であった

いいバンドやん と思った

 

そして2018年に発売されたアルバム「WHALE LIVING」にて、大幅に路線転換

めちゃくちゃ好みのバンドになってしまった

ユーミンのような雰囲気だけれども、ボーカルが主役ではないのでバンドとして音の間合いを存分に贅沢に使っているような

懐かしいけれども新鮮な音楽であった

 

 

つまり、学園祭で出会ったときはもしかすると「好みのバンドではなかった」のかもしれない

 

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当時の懐かしポスター


 

そんなHomecomingsが梅田にやってくるというので、5年ぶりに会いに行った

 

新たな軸

普段は本当にフュージョン・ジャズ系のライブにしか行かないので、きちんとボーカルのいるバンドのライブに行くというのは久々

いや、記憶にないくらい いつ以来だろうか

 

ゴリゴリに曲名をネタバレしてしまうけど、

いきなり”Cakes”と”Songbirds”の2曲で始まって感情が揺さぶられまくり(京アニ事件から1年が経ったタイミングなので色々想うところもあり)

1番聴きたかった”Blue Hour”も聴けて心が浄化されてしまった

 

まあ別にライブレポを書くつもりは全くなくて

 

このバンド、MCのときに割とアツく「曲に込めた想い」みたいなものを語るのである

そんなことが背景にあって曲作ったんや とか

この曲にアルバムのメッセージ性を1番詰めてたんや・・・めっちゃ地味な曲やと思って聴き流してましたすんません・・・とか

こちらも色々と想うところがあり

 

そして当たり前のことに気付いてしまうのだけれども、ボーカルのいるバンドは”歌詞”で想いを伝えることができるんやなと

インストばっかり聴いてきたせいで歌詞なんてものにほとんど気が向いてこなかったので、歌詞に込めた想いみたいなものを聞かされると「あぁ 歌詞か・・・」と、少し呆然としてしまうところがある

 

インスト音楽においては、ボーカルの声に相当する「楽器の音色」という要素はもちろん音楽の好き嫌いに反映されるのであるが、ボーカルの発する言葉=歌詞に相当するものってない気がする

 


www.youtube.com

 

渡辺貞夫のサックスなんてのは楽器の音だけで人の感情を動かしてしまう見本だけれども、それでも音そのものに意味を込めることは残念ながらできそうにない(単音でモールス信号を吹くとかなら可能?)

 

 

この前のフィロソフィーのダンスのライブでは、

・かわいい

・踊りがうまい

とかいう、インストのライブではあまり想定されない軸に価値を見出してしまって、めっちゃ面白いやんこれ!となったけれども、今回のライブでは今さら”歌詞”という軸に気付かされた

 

もちろんインスト音楽にしかない軸もいっぱいあるので、音楽の善し悪しの話では全くない

 

音楽大量消費時代に生きる

帰り際に物販コーナーでCDを買った

 

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最新アルバムを買えばポスターがついてくるらしかったけども最新アルバムではなく「WHALE LIVING」を買った

それほど愛おしいアルバムであり、家にCD再生機器などないけれども手元に置いておこうと思った

 

思えばCDを買うのなんて久々であり、ではどうやって音楽を聴いているのかというと今は音楽聴き放題アプリによって本当に聴き放題状態なのである

そうなると、ホテルの朝食バイキングで、ポテトを5本くらい同時に口の中に放り込んでしまうように、音楽のサブスクは「贅沢食い」ができる反面「あまり味わって食べなくなった」といった側面も発生してしまう可能性がある

 

今回ライブ会場に足を運んで、曲やアルバムに込められた想いをきちんと吸収することで、改めて彼らの音楽に深みが増したように思う

本来であればそういったメッセージはCDのブックレットなんかに記載できていたのかもしれないし、歌詞なんかももっとジロジロと眺めることができたのかもしれない

 

しかしCDをあまり買わなくなってしまったので、そういったこともあまりしなくなったなぁ〜と

(昔のスクエアの曲は誰が作曲したかだいたい覚えているものの、最近の曲はさっぱりわからないというのも、単純にブックレットを見る機会が減ったからかも)

 

ただこれを昔は良かったですねの懐古話なんかにするつもりは全くなく、むしろ真逆で、今って高いお金を出してCDを買わなければ聴けなかった音楽に簡単にアクセスできて本当に素晴らしい時代なのだと感じるのです

 (もちろんCDはきちんと買ってあげないとミュージシャンの懐も潤わないのでそれも大事ではあるんやけれども)

 

色んな音楽にアクセスして、本当に気に入ったら気軽にライブに足を運ぶというのも現代の音楽への向き合い方の1つなんやないかな

CDを買い漁るお金が浮いたからそれが簡単に可能になるというのも1つであり、また現代は交通機関が発達してどこへでも手軽に、物理的にも音楽へと簡単にアクセスできるのもある

そしてCDを買っていない分、生の音楽を聴いて色々なメッセージを受け止めて噛み砕く必要がある

その過程がなければ、音楽はただ消費されるのみとなってしまう

 

 

この間「世界一受けたい授業」にて、”最近の音楽はすぐにスキップされないようにイントロが昔に比べて短くなっている”なんてことを言っていたけれども、そんなことが意識された音楽が蔓延る世の中にはなってほしくないな〜なんて思ったり

 

”色んな音楽にアクセスする”というのと”音楽を噛み砕く”というのは相反するような概念ではなく、意識の向けようでもちろん両立できるし、今後もきちんと音楽にお金を使って、音楽に対して能動的に向き合いたいなと思った、そんな夜でした