なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

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久々に風邪ひいた

8年ぶりに風邪をひいた

8年前の風邪はなんだったかというと高校の卒業旅行で行った富士急ハイランドで叫びすぎて喉おかしくなって、そこから菌が入り込んで寝込んだという情けないもの

 

ただ今回は本当に原因もわからず、電車の中で感染したとしか思えないし、運がないなあといったところ

 

おそらくちゃんと発症したのは12/11日曜の夜

週末が終わり明日からGDPを回すことへの面倒さから気分は落ち込む一方、体だけはやけに熱くなり、整合性取れてないなあと思いつつ、ほとんど一睡もできないくらい苦しみ、朝に体温を測るとめちゃくちゃ発熱してた

 

この時点で「コロナでは・・・?」という最悪の事態が頭をよぎり、家から一歩も出れないことになれば買い物とかお願いするかもとの考えから、近所に住む友人に発熱の旨を周知

すると友人から「自分がコロナになったとき、クマさんみたいな医師がいる医院に行ったよ」との連絡

 

だあ!クマさん!

 

ちょうどゴールデンカムイのアニメを最近見始めており、クマという生き物への畏怖と尊敬の念が芽生えていたので、無条件でクマさんのいる医院へ行くことに

 

医院では、コロナの疑いがあるため、モンスターズインクで背中に靴下ついた奴みたいな扱いを受けるがこれは仕方がない

カーテンで仕切られただけの簡易的な個室に通され、少し待っているとカーテンが開かれる

 

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ああこれがクマさんだとひと目でわかるデカさ

自分自身が弱っていることもあり明らかに相手が大きく見える

 

殺すなら殺してくれという気分になるが、蜂の巣の穴を木の棒でほじくるように俺の鼻をかき回して帰っていった

割と痛かった

ただ、久々に他人に痛みを与えられて少し嬉しい気分に

人と人とのぶつかり合いを感じたのだ

 

半年ほど前に、梅田の茶屋町にて「殴ってください」というボードを持った若年男性が突っ立っていて恐怖したけれども、少し気持ちがわかった気がする

 

結局その日のうちに出た結果によりコロナもインフルも陰性とのことで一安心し、その日は薬を飲んでおかゆを作ってひたすら寝た

 

 

翌日火曜日もまだ発熱は続く

 

 

午前10時 テレビには妹尾和夫が映し出される

妹尾和夫により「自分は今、発熱状態にある」という事実が改めて浮き彫りになる

なぜなら風邪をひいたとき以外妹尾和夫をテレビで見ることはないからである

自分の体の内側からではなく、外側から自身の風邪を実感できる存在なのだ

例えば熱さまシートやお粥など、風邪をひいたときにしか目にしないものは他にもあるが、あくまでそれは自分が買ったり作り出したりしたものである

 

妹尾和夫は違う

こちらからなんの働きかけをせずとも風邪をひくと自然と浮かびあがる

 

仮に妹尾和夫を風邪神と呼ぶとしよう

風邪神妹尾和夫は当然忌避すべき存在である

事実自分も風邪をひいて参ってしまっているし、こんな状態にはならないに越したことはない

では台所から包丁を持ってきてテレビの妹尾和夫に向かってぶん投げればよいかというとそんなわけはない

当然、風邪神が激怒するからである

激怒した風邪神は対象の体温を5000度に熱することもできる 自然発火が起きる

そこでこちらサイドはどうするかというと、「表面的に快く迎える」のだ

 

沖縄では天然痘は「美ら瘡(チュラカサ)」と呼ばれていた

なぜ忌まわしい天然痘に対して「美」という文字を含む呼び名がついたのか

折口信夫は、”病といえども他界から訪れる神だから、とりあえずほめて迎え、快く送り出すならわしになっている”と解釈している

 

だから自分も妹尾和夫を無下にはできない

妹尾和夫が勧める数々の商品は、絶対に買うべきなのである

風邪のときは食欲のみならずあらゆる欲が消えるため買わないだけで、本当は買いたい

ただ風邪のときにしか妹尾和夫には会えないので妹尾和夫が勧める商品は結局のところ永久に手に入らないのである

 

これが「妹尾和夫パラドックス」である

 

 

 

 

翌日もぼーっとテレビを見ていると風邪神が映し出される

あっ自分は発熱している 気付く

熱を測る 38.8度 だめだあ 診療機関に行かなきゃ

ただの風邪だと判断されたのに水曜日まで長引いており、かつ高熱である

クマさんの診断は大丈夫なのか?との疑念

 

そんな思いを抱きつつも前に診てもらったのでもう一度行こうと思い、電話番号を調べようとHPを開く

 

 

HPに映し出されたクマさんの写真に疑念が強まる

本当に大丈夫か?大丈夫なの?大丈夫だよ 大丈夫か?大丈夫さ 大丈夫

 

 

朝11時ごろに医院に向かった

医院の玄関には、カメラ付きの「顔を枠内にはめてください」タイプの体温測定器がある

ティロリロリン 35.8度!

初めてここに来たときもこの機械は30.0度との結果を出してびっくりしたことがあり、そのときは「熱が高すぎて反対サイドに振れたのかな?」との拡大解釈でなんとか許してあげたが、今日は超平熱を出してきたのでもう救いようがない

 

診察室ではまずおばちゃんに熱を測ってもらう

家で測ってきたら38度あったことは先に伝えてあるが、念の為もう一度測るらしい

これは、飲食店でよくあるような手首やおでこに一瞬あてるだけのような機械で、首元にあてられ”36.6度”との結果

おばちゃんに「38度っていうのは朝イチの体温よね?」と確認される

本当はつい先程家で測ってきた数字だが、急に自分の体温に自信がなくなり、「朝の体温です、、、」と言わざるを得ない

 

発熱の状態から脱したくて医院にやってきたのに、発熱している自分という状態を否定されると途端に居心地が悪くなり、もはやきちんと発熱してくれという思いすら出てくる

おばちゃんの去ったあとも、診察室にて釈然としないモヤモヤとした気分でいた

 

そのとき、ドアがノックされる

 

 

 

「待たせたね」

だあ!クマさん!!!

 

クマさんはそんな私のもやもやを吹き飛ばすかのごとく、犬みたいに私の首元をさすってくれ、

「ああ、熱が長引いてますね」と一言

 

ああ、、その一言が聞きたかった、、きちんと私は発熱してたんだよお、、、

 

やはり人と人とのぶつかり合いだと思う

人生それが全てなのだ

 

 

岡本太郎は「技術が人を幸せにするわけがない」と、ハナから万博の掲げる「人類の進歩と調和」に反対しており、反万博の象徴として丹下健三設計の近代的な大屋根をぶち破って太陽の塔を作り上げたのである

 

自分もクマさんに対し肉体と肉体をぶつけ、それによって自分という人間を正しく認識してもらった

技術に頼るのもよいけれど、結局は人と人との肉体的なぶつかり合いでしかわからないこともあるのだ

 

その点、カメラ型や首元にあてるだけの体温測定器は、結局人ときちんと向き合っていなかったし、逆に家で使っていた体温計はきちんと人体の最も熱い箇所に飛び込んでいき、身を持って体温を証明していた

 

一体誰の利権であんなふざけた体温測定器が普及しているのだろうかと思う

その利権の親元を特定するまで徹底的に戦い抜く

親元を特定したら代表者を椅子にくくりつけて映画「ザ・コア」を観賞させる

いかに自分たちが表面のみで物事を考えているかをわからせてやりたい

 

 

そして一方で妹尾和夫は表面的にやり過ごす

表面とコアの使い分け 大切にしていきましょう という話です

 

以上風邪をひいていろいろ考えたことでした

風邪をひくと人の優しさが身に沁みます 皆様ご心配ありがとうございました