なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

ブログタイトル

京阪シティモールにおけるdiminuendo的な巡り方

 

【diminuendo】

次第に弱めるの意。dim.またはdimin.と略す。デクレッシェンドdecrescendo(略してdecresc.)に同じ。クレッシェンドの対。

 

ブレーキ

昔、吉野川遊園地というものがあった

2011年に閉まったのだけれど

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Wikipediaより

とにもかくにも来園客が少なすぎて、ひとりの係員が複数のアトラクションを担当していて「おっちゃんはよこっちきて!」などと係員を急かしてしまうことも多々

メリーゴーランドの馬の上にはキティちゃんを始めとする様々なぬいぐるみが乗せられており、メリーゴーランドの乗車率の低さがなんとかごまかされていた

 

そんな吉野川遊園地で唯一といっていいほど待ち時間が生じる大人気アトラクションがゴーカートであった

遊園地のゴーカートのコース設定には様々なバリエーションがあり

1.レールがあらかじめ引いてあって、加減速はできるもののコースから外れることはできない

2.コースの上を自由に走れるが、コースが狭すぎてほぼ裁量権がない(下図参照)

3.幅員の広いコースを自由に走行可能

の、だいたい3パターンになり、吉野川遊園地は3であった

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相模湖プレジャーフォレストで乗ったやつ これは2

当時小学生であり、周りにも同じような年代の男児がごろごろ

ここのゴーカートの恐ろしいところは、2台が同じタイミングでスタートすることである

当然どちらが速いかのバトルになるし、ひどいときには煽り運転、ぶつけ合い、罵詈雑言の応酬に発展する

このゴーカートで俺は最強であった

小学生にしてそのハンドルさばきはアイルトンセナを連想させるような腕前であり、奈良県民にして吉野川遊園地で天下を取ってしまっていた

 

このコースは曲線が多いことから、全速力で突っ込むとカーブで曲がりきれなかったり遠回りをしてしまったりする

なので、重要になってくるのがブレーキさばきであった

正しくはハンドルさばきではなくブレーキさばきが上手かったのである

 

大人になり、それが証明されてしまった

自分は車の運転が下手であった

車庫入れとか本当にできない

吉野川遊園地で天下を取ったのは、やはりハンドルさばきによるものではなかった

 

この事実は受け入れがたいものであったが、徐々に自分でも実力がわかるにつれ受け入れざるを得ないものになった

そうなると自分の得意分野は何であろうか ブレーキである

 

ブレーキのコツは簡単で、こんなものもしかしたら全員が実践しているのかもしれない

”徐々に弱める”

これのみ

 

最初に、衝撃が生じないようにきゅーーっと柔らかくブレーキペダルを踏み込み、ある程度奥まで踏み込んだらそれより奥には極力いかないように

信号の停止線などの停止位置に向けて徐々にブレーキペダルを緩め、最後の止まる瞬間もなるべく踏み込まないようにする

この最後の瞬間については踏み込んでしまう人が大半に思われるけれども、ここを絶妙な足さばきでこらえると”止まった瞬間がわからない”ような停車が可能となる

 

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diminuendo的な行動

最初に厳しく絞り、徐々に緩める

これは様々な事象に応用できる

 

例えばひとり暮らしを始める際の物件探し

最初はなるべく厳しい条件で探してみる

品川駅から徒歩10分以内 家賃5万円以下 セパレート 25平米以上 築10年以内

こんな条件であるわけがないので、次は妥協可能なところを緩める

次も好物件が無ければ他の点を緩める・・・を繰り返す

 

こういった、ある対象に対して徐々に条件を緩めることによって良い条件を選び出すという行為は無意識的に誰しもが行うことである

 

京阪シティモールの場合

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京阪シティモールの最もよい巡り方とはなにであろうか

おそらく最も良いのは、500円玉を握りしめMB階へ行き京阪電車に乗り込み出町柳へ行き鴨川デルタで惣菜パンを食べることである

 

ただ今日は、仕事の簡単な資料を持ち運べるようなトートバッグと衣装をしまえるケースを手に入れにここへ来た

出町柳へ行くわけにはいかない

 

 

とりあえずなにも考えずにエスカレーターに乗ると4階の無印良品が目に入る

ここにありそうなので探す

 

トートーバッグが微妙なのしかないので、衣装ケースだけ購入

無印良品はどの商品が割引かそうじゃないのかがわかりにくく、1,000円だと思って購入したら2,500円もして泣きそうになった

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こんなやつ(無印良品HPより)



なんとなく時間が余ったので本屋に行こうかなと思い、7階を目指してエスカレーターを上る

すると次の5階にはニトリがあった

 

嫌な予感がする

行かないほうがいいのに足を運んでしまう

 

 

あった

やっぱりあった

格安衣装ケース

1,000円くらいで売られていた

 

無印は機能的ではあるけど決して安い商品を売ってくれるわけではない

最初からここに来ていれば・・・と思い、少しフロアをうろつくと、机の上に置く用のリモコン入れを発見

そういえば家にこういうのなかったな あったら便利かな と思い、400円で購入

 

そしてまたニトリを出て上りエスカレーターへ

エスカレーターの先にピンク色の内装が見えてきたとき、思わず声が出ていた

そこには”ダイソー”があった

 

もう駆け出していた

そんなこと確認してなにになるのか 自分を貶めたいのか

しかし足は止まらない 視野もいつもよりクリアな気がする

当然のごとく見つける リモコン入れ110円

しかし足は次の獲物を捉えに床を蹴っている

衣装ケースが視界に入ったとき、俺はもう泣き出していた

 

 

普段出来ている行動がなぜここで出来なかったのか

京阪シティモールに浮足立っていたのか

当然ながらこの京阪シティモールにおいても、diminuendo的な行動を心がけるべきであったのだ

 

フロアマップを見た時点で、最初の強いブレーキをかけるにはまずダイソーに行くべきであると見極めなければならなかった

そうなるとダイソーニトリ→無印の順番となり、まずエレベーターで6階へ行ってしまってからエスカレーターで下るというのが正解であることがわかる

 

ただ、民衆が皆そのような行動パターンに則り、まずダイソーに足を運んでしまっては消費行動が抑制されてしまうのではないかと思う

自分の利益を考えたときにはdiminuendo的な行動が最適とされるが、社会全体、日本経済のことを考えたときにはそうとも限らないのかもしれない

 

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200円か300円程度で済んだ買い物に3,000円弱突っ込んでしまった

こうやって無印良品の紙袋の持ち手の部分で指をうっ血させることで、吸い玉のような、血行改善が期待されるらしい

これは2,000円分くらいの価値があるはずである

diminuendoの指示を受けずとも弱りきった自分の脳内は、そのような正当化によってなんとか保たれることとなった