なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

ブログタイトル

憧れのヨーロッパ

 

”憧れのヨーロッパ”

 

そう、バカボン鈴木のファーストアルバム「MY COMPLICATED MIND」のファーストトラックのタイトルである

 

当時高校生だった自分はなけなしの3,000円でバカボン鈴木のアルバムを購入し、当時の彼女を誘ってライブハウスへ行ったのだった

 

人生で初めて恋人と行くコンサートがバカボン鈴木なの、あまりにも渋い

どういうセンスをしているのか

 

バカボン鈴木、髪型といい服の色といい、遠目で見たらチベットの僧侶にしか見えない

 

チベットの僧侶

 

彼女はライブ中ずっと眠っていたが、バカボン鈴木を本当にダライ・ラマかなにかだと勘違いして祈りを捧げていたのかもしれない

 

破局した際、彼女の家にあったバカボン鈴木の「MY COMPLICATED MIND」だけ返してくれと懇願したが「そんなものはない」の一辺倒ではねのけられてしまった

当然彼女を失った悲しみでずっと塞ぎ込んでいたが、実はそれの何割がバカボンロスであったのか、今となってはわからない

とにかく自分はすがるべきラマを失い、タテとヨコで構成された区画しかない京都の街においてただ一人迷子になってしまったのであった

 

 

そんな憧れのヨーロッパに行くことにした

これは自分の人生において割と大きな決断であるように思う

国内旅行ばかり行き、海外には台湾しか行かなかった人生であった自分

「普段から旅行しない人が海外にも行かない」のはわかるが、「旅行狂であるのに海外に行かない」というのは、なにかそこに大きな壁があったように思われる

 

このような大きな決断に至るには様々な背景があった

大きな事故には無数の小規模なインシデントがあるように

 

ひとつは去年下北半島津軽半島に行ったことであった

 

 

日本三大霊場のひとつ、恐山へ
レンタカーのまま三途の川を渡ると、明らかに空気感が変わったのを感じる
宿坊に泊まれたので誰もいない恐山を夜に歩くという体験をしたけれども、カラカラと回る風車の音や自分の背丈の倍くらいある巨大な卒塔婆の影、また人生でも指折りに美しかった夜空の星までもが様々なものを連想させ、畏敬と単純な恐怖感を抱くような、そんな忘れがたい夜だった

(自分のInstagramより引用)

 

 
 
 
 
 
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恐山や下風呂温泉、龍飛岬などを訪れ、自分の中ではもう国内旅行に一区切りをつけてもよいと思えてしまった

それくらい、下北と津軽は最後まで残してあったとっておきの場所であった

もちろんまだまだ行きたい場所は無数にあるけれども、一旦落ち着いてもよいかなと思える境地に至ったわけである

 

これが第一の理由

 

そしてその2ヶ月後、仕事で海外へ行くことになった

これは公共交通の視察団のようなもので、同業のコンサルや鉄道機器のメーカーなど色んな人間が集まって海外へ研修に行くものであり、例年ヨーロッパに行くのが恒例であった

なぜヨーロッパかというと、鉄道システム、特に路面電車を中心としたまちづくりが進んでおり、日本もヨーロッパの交通まちづくりを見習うべきであるというのはこの業界ではよく唱えられていたからというのがある

各社から1人〜2人程度が選ばれ、その視察団に組み込まれるのであるが、自分もいつかヨーロッパに会社の金で行きてえなというのを漠然と感じていた

そんな自分に信じがたいオファーがきた

 

「視察団に参加しない?」

 

そんなに早く参加できるとは思っていなかった まだ入社4年目とかなので

身を乗り出した自分に更に信じられない言葉が飛んでくる

 

「行き先は台湾 円安なので」

 

慌てて逃げた

慌てて逃げたけれども会社に対する僅かな隷属精神が「行きたくないですけど誰も手を挙げなければ最悪行きます」という半端な回答を生み出してしまった

そして見事に選出されたのである 最悪だ

 

もちろん台湾という国が嫌いではなく、むしろめちゃくちゃ好きなのだが、無料でヨーロッパに行けると聞いて蓋を開ければ台湾というのはやっぱり落ち込んでしまう

 

この体験の反動によってヨーロッパに引き付けられた気がする

また、この海外出張の手当でヨーロッパへの航空券くらいは賄える金額が手に入ったので、もはや自分で行けばいいじゃないという思考にもなった

 

この台湾視察が第二の理由

 

そして最後、これが一番大きな気がするが、友人と中国旅行を計画したことである

まだ具体的に内容は詰められていないが、上海→南京→北京とを巡るツアーで、最後は天安門広場にてイヤホンで「パリは燃えているか」を聴きながら号泣する計画であった

このときに実際に飛行機の料金を調べてみようと使ったのがグーグルフライトであった

グーグルにそんな機能があるのを知らなかったが、グーグルフライト、これを一回使うともう人生終わりである

もう使う前の世界には戻れない気がする

 

例えば行きたい場所が確実に決まっているのであれば、その空港までのチケットのうち「どの日程が安いか」などを調べればよいのであるが、このグーグルフライトは決まった日程のうち「どの行き先が安いか」を調べるものである

 

行き先と料金が一覧で出る

 

ヨーロッパについて何もわからない自分にとって、とりあえずヨーロッパのどこかに飛ばしてくれるグーグルフライトは非常にありがたく、結果的にハンガリーまでのチケットを勢いで取るに至った

 

なにか物事を始めるにあたり、このように「一歩手前」まで行くことは大事だなと改めて思った

航空券で例えると、「そのボタンを押せば10万円を失い航空券を手に入れる」という状態になると頭の中で色々な思考が巡りだす

ボタンを押すのに躊躇している自分は何にビビっているのか

 

お金なのか 長期休暇なのか 英語力なのか 知識(世界史や絵画史など)なのか 海外旅行経験なのか

それらか解決可能なのか はたまた解決しなくともどうにかなるのか

 

たとえば上で挙げた5つのうち、お金と休みはどう頑張ってもネックとなるが、後ろの3つはなくともどうにかなる

また、今はなくとも旅行当日までに解消できることもある

今回の旅行ではブダペスト→ウィーン→プラハを周るが、今がんばってモーツァルトの曲を聴き、カフカの本や”プラハの春”を読み、クリムトやマルコー・カーロイなどの画家について調べている

日本史専攻だったので世界史も勉強しなければ、、、とも最近すごく思えてきた

情報を集め始めると色々と入って来るもので、昨日も飲み屋でプラハの絶品黒ビールを教えてもらった(スマホごと写真を撮らせてもらった)

いつもお世話になっている店なのでお礼に買って帰ろうと思う

 


何事も一歩手前まで行くと、その先に踏み込めない要因が明らかになり、じゃあどうしよう(orとりあえず飛び込もう)という前向きな思考になるので、やるかどうか迷っているものごとはとりあえず安全な位置から覗きに行ってみるのがいいんじゃないかと思う

 

”安全なところから覗く”のイメージ
山上ヶ岳コース | 修験道体験 奈良県 天川村 大峯山

 

・国内旅行に区切り

・台湾視察の無念

・グーグルフライトにより海外航空券取得の選択肢と現実味が増した

 

大きくこの3点により、ヨーロッパへいざなわれることとなった

 

さあ 坂本直哉 28歳 真夏の大冒険である(このフレーズ好きすぎて冬至だろうと使う)

そして旅先で誕生日を迎えて29歳になってしまう

アラサーの焦りも自分をヨーロッパへ掻き立てたのかもしれない

 

ちなみに旅先で誕生日を迎えるなんて素敵なことのように思うけれども、なにも考えず飛行機を取ったので誕生日は乗り継ぎの上海で迎えることになる

第二次文化大革命に巻き込まれ享年29は避けたい

生き抜いて帰ってこようと思う