なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

ブログタイトル

スキースノボ産業の今後はJR東日本が担っている

1億総スキー時代へ

「日本中の観光学者たちが口を揃えて、『少子化だからスキー人口が減った』と言う。しかし、劇作家はそうは考えない。『スキー人口が減ったから少子化になったのだ』」

かつて二○代男子にとって、スキーは、女性を一泊旅行に誘える最も有効で健全な手段だった。それが減ったら、少子化になるに決まっている。当たり前のことだ。

ーー平田オリザ著「下り坂をそろそろと下る」より

 

スキー・スノーボード人口は減り続けている(以下「スキー・スノボ」はまとめて「スキー」と記載)

もうこれについては改めて実績データを出すまでもないし、そんな細かい話をするわけでもないので詳しい数字は省くとして・・・

 

冒頭の平田氏の言葉は非常に面白い着眼点で書かれている

結局卵ニワトリみたいな話になるのだけれども、それでもスキーによってロマンスが生まれる可能性は大いにある

少子化に悩む日本 色んな手を打ってきたが状況が一向に良くならない

こうなれば1億総スキー時代に突入するしかない

昼はエッジを立ててボーゲン

夜はエッジを弱めコブに対して山側谷側への体重移動によるパラレルターンでもう人口はうなぎのぼりよ〜ん

 

てなわけで私も国力増進のため、国家への忠誠心のみで毎年スキーに勤しんでいるのである

そして先週初めて訪れたのが湯沢の地であった

 

トンネルを抜けると

湯沢へ行くのだから当然川端康成の雪国は読んだ

 

「国境の長いトンネル」の国境は「くにざかい」か「こっきょうか」論争が未だにあるらしい

国内のことだから「くにざかい」が正しいように思うが、言葉の響きやリズム的に「こっきょう」の方がスッと体に入ってくる感覚がある

 

小説に出てくる上越線ではなく上越新幹線で向かったために当該のトンネルは通っていないけれども、それでも越後の地が近付くにつれ確実に底が白くなっていく感覚をつかめる

 

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さてさてそうして越後湯沢駅から送迎車で10分ほどのスキー場ですいすいとすべってとてもたのしかったとおもいました

またいきたいです

 

とんでも立地

最終日は昼まで滑って、湯沢の駅でカフェタイムにいそしんで、新幹線に乗り込んだのは15時前

 

そしてぐっすり眠り東京へ到着

なんやかんやと時間を浪費してあることに気付く

まだまだ外が明るいのである

昼過ぎまで雪国にいたのに、なんたるこの視界の明瞭さ

 

そう、恐るべし新潟大好き芸人の田中角栄がブチ抜いた上越新幹線は、湯沢と東京を1時間ちょっとで結んでしまうのである

これは本当にとんでもないことだと思う

 

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東京から1時間でこんなに雪深い地域に行くことができる

信号機に至っては横を向いている

たった1時間で縦から横になるのだからもう3時間とか超えるともう逆にもうまた縦である

 

そして東京からたった1時間の地域でウィンタースポーツに打ち込むことができるのだ

関西人からするとなかなか考えられない地理的感覚である

 

関西近郊にもいくつかスキー場はあるが、雪が少ない、コースが狭い、混雑がひどい等色々な問題があり、なかなか足を運ぶことはない

そしてそういったところでウィンタースポーツデビューをしてしまうと、きっと楽しくない

コケると硬い雪でアザまみれ

人が多すぎてレンタルもリフト待ちも一苦労

もちろん滑る際にも人が多すぎて苦労するし、接触の可能性が高まって単純に危険である

そんな散々なウィンタースポーツデビューを果たした人はもうスキー場へは来てくれないのだ

 

 

しかし湯沢にはいくつものスキー場がある

苗場、岩原、ガーラ、上越国際、石打丸山等々、そうそうたるメンツが揃っている

 

そして何度でも言うけれども東京駅から1時間ちょっとでアクセスできる

これは東京駅から越後湯沢駅までの時間だから、各スキー場へはもう少し時間がかかるけれども、それでも+10分〜60分以内である

 

はあ都民はなんたる環境に身を置いているのか

自分がこんな環境にいたなら毎週湯沢に通っているかもしれない

いやもはや住んでしまう 住めてしまう だって東京まで1時間なんやもん

湯沢に移住すると街から月5万円の通勤定期補助がもらえるのでめちゃくちゃ頑張れば本当に住めちゃうかもしれない

と、こんな夢まで持てるのだからやっぱり新幹線というものは人の流れをあまりにも変えてしまう

「1本のバス路線を引くのは、文化を創ることと同じなんです」とあるバス会社の方が講演されていて、個人的にすごくよい言葉だし重みがあるなあと思って印象に残っていたのだが、ローカルバス路線でもそんな言葉が出てくるのだからもう新幹線なんてほんとに日本全体に波及するような文化を作り出せるのである

 

提言

さあここで提言である

もはや明るい未来がなかなか見えないスキー文化

これをもう一度振興していくためには新幹線という劇薬しかない

 

これを担えるのは、星野リゾートでも、JTBでも、アルペンでもなく、JR東日本なのである

JR西日本でもJR東海でもなく、JR東日本である

JR東日本だけが、日本一巨大なマーケットである首都圏から人を引っ張り込んで雪国へと高速で送り込むことができる

これはバスには担えない バスではダメなのだ

1時間ちょっとという所要時間の負担の少なさが絶対的に必要

短時間での雪国輸送、それは急速冷凍と呼べる代物である

急速冷凍することによって鮮度の良い、余力を残した状態でスキー場へ向かうことができるし、帰りも本当に負担がない

 

これは上越新幹線に限らず、北陸新幹線もそう

東京から飯山へ2時間弱で急速冷凍が可能である

 

 

では今のままJR東日本は新幹線を運行していればよいのか

そんなわけではない

 

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買ったばっかりのNikonZ50の画質よりも見てほしいのがこの人だかり

人混みが嫌いな私であるが、この人混みは嬉しくなってしまった

この人混みだけを見るとスキー人気の落ち込みなんてほんとにあるのか、なんて思う

 

しかしなにせ混みすぎている

始発の東京駅の時点でもう立ち客が車内のデッキにあふれていた

自分もなんとか一本電車を遅らせて自由席に座れたけれども、一本逃すと20分待ちとかになるので辛かった

やっと座れた席の窓から見た、上野駅で新幹線を待つ子ども連れがこちらの車内を見て絶望した表情をしていたのが忘れられない

あの両親はもとより5歳くらいの女の子も湯沢まで立ちっぱなしなのだろうか

東京から湯沢までの1時間は奇跡のように一瞬の所要時間であると思っているが、それは着席できた場合である

立った状態の1時間は本当にきつい それに関してはバスで3時間ほどかけて行った方がまだマシなのではと思ってしまう

 

せっかく新幹線が通っているのに、こんなことで満足度を下げ、「スキー旅行そのもの」が楽しくなかった、なんて思われるとあまりにも悲しい

JRSKIだなんて大体的なキャンペーンをしていながら、上越新幹線の本数はあまりにも少ない

これじゃ新幹線を使ってスキーに行くのはやめよう、となってしまう

そして、雪国での運転に不安がある若者は車でも行かない、バスも疲れる、となればもうスキー旅行自体がたち消えてしまう

 

このままでよいのかJR東日本

いや、JR東日本はもう限界の頑張りを見せているのかもしれない

コロナで大幅な減収に遭ったなか頑張っているのである

ここはもうスキー関連産業からお金をドバドバと注ぎ込むしかない

冒頭の平田オリザの言葉に戻るなら、公金を流し込んでも結構である

増便増便ピストンピストン冷凍冷凍

可能であればスキー旅行者に限り新幹線の料金を大幅に割引いてほしい

ちょっとやそっとの割引ではダメである

「安いから行こう」と思うくらい、重い腰が上がるくらいに安くできれば・・・

 

 

色々と書いてきたが、スキー人気によって少子化に歯止めが、なんてもちろん冗談である(ちょっと期待もするけど)

ただ、日本国民として考えたときに本当に思うのは、都市の身近に雪山が存在するだなんて稀有な国に生まれてしまったのだからその独特な文化を一思いに享受しないともったいないのではないかと

スキーなんてどこで生まれてもできると思ったら大間違い

それは海外はもとより日本国内においても、たとえば関西人はなかなかスキーに行きにくい環境にあるし、西へ行けばもっともっと不便な地域もある

それを思うとなんと都民は、ああ・・・

そんな環境に身を置いているのだから、ワンシーズンに1回くらいはスキーに行ってほしい

スキー場も公共施設ではないので当然赤字が続けば潰れてしまう

この文化を残すためにはとにかく足を動かすしかないのである

 

だらだらと取りとめのない駄文

言いたいことは以下の3点

 

・スキー産業の未来はJR東日本が担っている

・本数を増やせ、安くしろ

・スキー関連産業は新幹線を頼りまくれ