プロローグ
「ぼく根暗なんですよぉ」
というと
「根暗は差別用語やから言うたらあかんで」
と、前の職場で注意されたことがある
鉄道会社の現場というのはもちろんBtoCであるので、差別用語などは絶対に使わないように教育される
そういった研修のようなものもあり、差別用語の例として「トラキチ」が出てきて笑いそうになったけれども笑ってはいけない
「手短」や「舌足らず」もアウトだと教わり、そこまで規制するのは逆に差別感情がいきすぎているのでは?と首をかしげながらもなんとか飲み込み、明日から注意しようと頭を切り替えた
しかし根暗が差別用語なんて聞いたこともない
ただなんとなくその指摘を受けてから厭な感じがしてその言葉が使えなくなってしまった
本当に鉄道現場員というのは割と言動には気を張っていて、身内だけで話すときもきちんと「お客様」と呼ぶからすごいなあと感心していた
まあどれだけお客様と呼称したところでガイアの夜明けでは「お客」とテロップを打たれてしまうので意味がないんやけどね
逆に「客」と呼称したときにも「お客」とテロップを打ってくれるのかどうかが気になる
後者が成立するならば、限られた放送時間の中の数秒程度のインタビューにおいては「客」と呼称したほうがその他の情報をよりたくさん詰め込めるではないか
ユニバの思い出
前職を辞して言論の自由を手に入れたので根暗というワードが使えるようになりました
さて、根暗とユニバの関係について
根暗度とユニバに行く頻度はおそらく反比例すると思われるので、ほどほど根暗な私はほどほどの頻度でしかユニバに行くことがなく、去年行ったのがほんとに4年5年ぶりとかだった
ユニバがオープンしたのは2001年
イエローキャブが世間と乳を揺らしていた時期である
2000年代前半においてすでに他コンテンツとのコラボに積極的なユニバーサルスタジオジャパンが存在していた世界線における期間限定アトラクションとは?
— さかもとなおや (@Buffaloes24) 2021年10月8日
→「根本はるみ・ザ・ライド」
オープン1ヶ月以内くらいに父親と訪れていて、割とガラガラでびっくりした思い出がある
今では考えられないけれども、初期のユニバはウッドペッカーなんていう貧弱なコンテンツのキャラを前面に押し出して、あとは動物のショーしかやっていなかった
動物のショーでは登場する動物の頭数の8割くらいがアライグマだった気がする 記憶は確かではない
ただ動物ショーは本格的で非常に面白かった
また初期のユニバは火薬の量がとんでもなかった
いまバックドラフトが残ってる理由として「火事の恐ろしさを伝えるため」だなんて書かれてるサイトもあるけれども、当時のユニバは全アトラクションにおいて火事が起こっていた
ジョーズの爆発なんて普通に「痛み」を感じたので
そして初めて行ったユニバで手に入れたのがこれであった
ユニバーサルスタジオジャパン、公式のサントラ集である
なぜか今は売っていないのでオークションなどで割といい値段がついていたりする
なんで売らなくなったのだろうか 権利関係のなにかがあったのか?
収録曲はもう名曲揃い
幼少期の自分は狂ったようにこれを聴くことになった
特に1曲目のジュラパ〜4曲目のウォーターワールドまでの流れはアホみたいに繰り返して聴いた記憶がある
久々のユニバ
オープンしたてに足を運んだものの、その後ヘビーユーザーになることもなく、1〜2年に1回行く程度になってしまった
大学を卒業してしまうと本当に行く機会がなくなってしまって、このまま一生行かないのではと思っていたところでやっと去年行くことができた
コロナでの入場制限&鬼滅ライド初日ということもあって鬼滅以外のアトラクションはスカスカ
朝からアトラクションに乗りまくり、ミニオンに乗っている最中本当に嘔吐寸前の危機に見舞われたり
福岡にある(今は閉園)スペースワールドのブギウギコースターでは、発車時に「レッツブギウギ〜!」と係員が掛け声をする決まりがあり、地元の高校生かなんかがバイトでやってるのか、気恥ずかしそうに「れっつ ういういー」と田原総一朗並みのファンタジーな発声になるのが非常に愛おしかったのだが(田原総一朗は愛おしくない)、ユニバのクルーはとかく愛想も良くハキハキと喋ってこれはこれで愛おしいなあと思ったり
そして初めて行ったニンテンドーワールドは心底感動してしまった
そんなにマリオのゲームを昔からやり込んでいたわけではないのに
ニンテンドーワールド、なにがそんなによかったってこのヨッシーアドベンチャー
特に凝ったようなアトラクションではなく、園内を周遊するだけのアトラクションなのだが、これがめちゃくちゃ面白い
まず世界観が作り込まれているので、景色を見渡すだけで楽しい
そして遅い速度で進み、スマホでの写真撮影も可能なので、時間が余ることもなく不足することもなくなんとも心地良い満足感に満たされてライドから降りることができる
最後にこのアトラクション自体がニンテンドーワールドの景観の一部となっており、外から見ていても楽しむことができる
これはユニバ内だけでなく観光地においても応用できる
例えば由布院の馬車なんかはこれらの要素を満たしているのではないかと思う
①世界観が作られている
②ゆっくり進む
③それ自体が景観の一部として地域の魅力を向上させる
この3点です 色んな地域でスローモビリティーが流行らないかなーと思う
と、ニンテンドーワールドを堪能したものの、結局1番楽しいのはジュラパなのである
今挙げた3点に加えて④玉ヒュン が加わるのでもうこれは面白いに決まっている
そしてライドに乗りながらジュラパのテーマ曲、昔アホみたいに聴き込んだジョン・ウィリアムズの曲に浸るのであった
ジュラシックパークinコンサートへ
前置きが長くなりすぎたけどジュラパinコンサートに先週行きました
これはシネマコンサートという、映画を丸々スクリーンで流しながら音楽だけはその場で演奏するというなんとも斬新で贅沢なコンサートなのです
大阪と東京を中心にたまーに開催されており、色んな映画が取り上げられているのだが、このたび大阪でジュラパのコンサートが開催されると知り、もう念願叶ったりでチケットを購入いたしました
指揮者は大阪メトロの車内や駅で見ない日はないんじゃないかと思うくらいよく見る佐々木氏であり、演奏は大阪交響楽団
もう序盤から鳥肌が立ちまくり
というか、この映画の音楽的な盛り上がりのピークは序盤にきちゃうのです
それは後半が尻すぼみということではなく、その序盤のシーンがあまりにも感動的なので
もうこの4コマ画像だけでグッと来てしまう
このおじいちゃんのハモンドは明らかに善人ではないのだが、この表情を見るとなんとも憎めないキャラなのである
ハモンドだけでなくこのシーンは各演者の表情が巧みで、映像だけでも胸に迫るものがある
そこに加えて音楽が感情をかき混ぜてくるからたまったものではない
そんなに映画を観る人間でもないのであまり断言できるものではないけれども、ここまで音楽が感情を揺さぶってくる映画シーンというのはそうそう無いのではないかと思う
その後も一切無駄のない展開が続き、何回も観ている映画なのに引き込まれてしまう
たまに生演奏であることを忘れてスクリーンに見入ってしまったのだけはこの名作の功罪というべきか
そしてあっという間にコンサートは終了
映像抜きで頭からもう1回演奏してほしいくらい まだまだ聴いていたかった
そういえば高校3年生のとき、定期演奏会でこの曲を演奏することに決まったのを思い出した
決まってから楽譜を探したところ、なんと楽譜が市販されていなかったのでオジャンになった
当時はこれをやりたすぎて発狂しそうであったが、今あらためて生演奏を聴いてみるとこんなもの演奏出来る気がしない
現在は吹奏楽版の楽譜も出ているみたいで、演奏も載せられていた
公式があげた動画とは思えないこの悲惨な演奏
高校生が挑戦するとこんなことになりますよという警告なのだろうか
金管のハイトーンが出ないのは仕方ないとして、最初のホルンのイントロ(0分30秒〜)の適当さがなんとも悲しい
4つ目の音はもっと ふわーっと出すの 音が当たればよいというものではないんですわよ
いや、めちゃくちゃ難しいのはわかるんやけれども
それにしてもこの名曲の楽譜が2015年までなかったというのはどういうことだろうか
平成の失われた20年における貧弱な文化芸術への理解がこんな悲劇を生んだのかもしれない
演奏がずっこけようがやっぱりこの曲を演奏したかった
なんとも心残りな一曲なのである
ジュラパを振り返る
改めてジュラシックパーク1作目を観ると、シリーズでもこれがダントツで面白いなと思う
なんせ子役の女の子が亀田大毅に似ているのだから名作に違いない
そしてこの作品からは色々な学びが得られる
自分が思うのは2つ
①属人化・技術者への無理解の恐怖
②生命は道を見つける(Life finds a way)
①についてはこの映画を会社の幹部向け研修で強制的に見せるべきだと思うほど
作中での悲劇の始まりは1人の技術者への業務の偏り、そして報酬の少なさによるものであった
②については作中のメインテーマであるのでわざわざ述べることでもないが、地上波のカットしまくりバージョンだとここの意図が全く伝わらずにただの怪獣パニック映画に成り下がってしまうので悲しいところである
ジュラシックパークシリーズはそのあと3まで続く
2は女性キャラがあまりに自分勝手で観るに耐えず 50点
3はホラー色が強めであまり明るい気分にはなれないけれどもこれはこれでアリだと思うので75点くらい
ジュラシックワールドの1作目はジュラシックパーク1作目のようなワクワク感とか開放感があり、個人的には90点くらいあげたい
音楽の観点からいうと、冒頭すぐにジョンウィリアムズのメインテーマが流れたところでもうそのあとどんな展開になっても70点をあげれるくらい、あのシーンだけでもう心を揺さぶられてしまった
2作目はメインテーマが排除され、音楽的魅力が激減
ハモンドのような善人ではないけど悪役でもない みたいなキャラはおらず、皆わかりやすい悪役
そして皆きちんと死んでいく
最初にテーマありきで無理やりストーリーを組み立てたような内容で、あまりにも安っぽい
そして屋敷の中で恐竜とかくれんぼをするだけというスケール感のなさ 開放感のなさ
最後のシーンはSAW6を観てるようであった「やらんかとおもたらやるんかい!!」て
そんなジュラシックワールドシリーズは今年最新作(シリーズ最終作?)が出るみたいなのでこれも要チェックでございます
願わくばジョンウィリアムズの楽曲が最大限生かされますように、とそれを第一に願ってしまうのです