淘汰される弱者
仕事上の関係で、古市駅構内のファミマをしょっちゅう利用する
週に3~4回はあそこで買い物をする 何を買うのかというと、主にお菓子 仕事は眠気との戦いであるため、刺激的なお菓子を求め、足繫く通う
そしてこの間見つけた超刺激的な菓子が、アヒージョ風ポテトチップスである
もう名前からしてアホ全開なのに味もアホ丸出し アヒージョもクソもなく味の素そのままぶっかけたような味 しかしこれがうまい 味の素をかけて不味くなるメシなどない
これは週一で買わなければと思っていた矢先、店頭から姿を消す
思わず店員の仲の良いおばちゃんに聞く
「ババアおい アヒージョお前 なあ」
「あ、それ全然売れへんかったからもうあらへんで 今はこれ、おさつ風じゃがりこ どう~」
「芋が芋に味寄せてどないすんねんボケ チンパン風ホモサピのワレならそんなもん入荷しても不思議ちゃうけどのう はよアヒージョ再入荷しろや 5秒以内な はい0 死~御隠れ~」
しかしこれは仕方のないことである 競争原理が働く環境においては弱者は淘汰される アヒージョ風ポテトチップスは弱者であった
谷地温泉にて
そんな私は先日青森へ旅行へ行った
中でも旅のメインはやっぱり温泉 というか東北旅行で温泉を中核に置かない旅などなかなか難しいものがあったりする 温泉苦手人間は東北旅行なんてしないほうがいいのかもしれない 逆に温泉大好き芸人はさっさと東北へ飛んでもらいたい 九州よりもディープな世界が待っている
青森でもクセの強い温泉が集まるのが十和田八甲田エリアで、今回の旅では酸ヶ湯温泉・蔦温泉・谷地温泉の3軒を巡ることができた どれも全く違う泉質なのがまた面白い
その中の谷地温泉へ足を運んだときのことである
もともと谷地温泉なんてものは知らなくて、旅行前の下調べで初めて存在を知ることができた 世間からみても超マイナー温泉である
谷地へ着く直前、改めてここはどんな温泉かということを調べようとスマホをポチポチ
おっ マジか
どうやらここは日本三秘湯のひとつらしい 日本三秘湯!こんなもの知らなかった
そのとき見たサイトは「日本三秘湯と聞いただけでワクワクするのは僕だけではないはず(残りの2箇所はどこなのだろう...?)」と書いてあり、残りの2つについては言及されてなかった この探究心のなさが恐ろしい
精神的に向上心のある俺はもちろん残り2箇所についても調べる
・祖谷温泉
これは納得 ガチ秘境 徳島生まれの俺が愛してやまない温泉 大塚なんとか美術館に行くものいいけど徳島を本当に満喫したいならここに来てくれ 祖谷の素晴らしさはまたブログに書きたい
へぇ~こんなとこ知らなかった 谷地と祖谷と肩を並べるくらいやから素晴らしい温泉なんやろう
日本三大秘湯の一つであるニセコ薬師温泉ですが、2014年に閉館してしまったことで伝説の温泉となってしまいました。雪の重みで建物の一部が倒壊してしまったことが閉館の原因のようです。
んん?
現在は閉館??
この違和感はどこかで感じたことがある
日本三大車窓
鉄道好きでこの三大を知らない人はいないであろう
列車の車窓から見える絶景を日本で3つ選んだものである
もうこれは文句なし 日本一の景色やと思う 列車からの景色もすごいし姨捨駅に降り立ってそこから見る景色も何時間でも眺められそうなものである
これも良かった 観光列車に乗ればこの区間で完全に列車を停めてくれてじっくり景色を眺めることができる 天気の良い日は桜島までうっすらと見える
あっ これや
かつて日本の鉄道路線で三大車窓とうたわれた絶景があります。そのうちの一つ、北海道根室本線の狩勝峠越えの絶景は、新線のトンネル完成によって過去のものに…。
はいはい これこれ 日本三秘湯で感じた違和感のルーツはここでした~
いつまでアヒージョ風ポテトチップスを置くのか
日本三秘湯にしても日本三大車窓にしても
いつまでその「金にならない遺産」を置いておくのか
雪の重みで建物がつぶれそのまま閉館してしまった温泉施設、所要時間短縮のため新線へと切り替えられ廃線となった線路 こんなことを言うのは良くないのかもしれないがどちらも弱者である アヒージョ風ポテトチップスと同じである
日本には無数に温泉がある、姥湯温泉のような、どえらい場所にある秘湯なんてまだまだある
車窓にしてもそう この旅で乗った五能線 一昨年2回も乗りに行った花咲線など絶景路線はいくらでもある
早くここの入れ替えしませんか 日本三大〇〇、日本人これめっちゃ好きやん このワードあれば足運びたくなるやん そのブランドを今現在頑張って活動しているモノに今すぐ譲ってあげてくれませんか 金が動くんですわ ここの血を入れ替えることで金が動くんですわ なんでもう存在しないものをずっと置いておくのか本当に理解ができない とっとと3つ目の選定に移ろうや イラついてきた
世界遺産にしてもそうである
1回登録されてしまえばよっぽどのことがない限り世界遺産から抹消なんてされない
全世界を見渡してもそんな例は2件しかない
登録さえされれば後は適当なことをしていてもずっと世界遺産であり続けるのである
もうこの際日本の世界遺産は15までです!!とかして年に1回シバき合いで世界遺産生き残りを決めるべきかもしれない とにかくなんでもかんでも世界遺産にしてしまえという姿勢はあまり好きではない
ちなみに登録抹消となったひとつのドイツ・エルベ渓谷の事象では、渋滞解消のために川に橋をかけたところそれが景観破壊にあたるとして抹消とされたらしい でもその後も観光客の数は変わらず、むしろ橋によって住民の満足度は上がったとかなんとか
日本も今後どう頑張っても人口が激減するし街の形も変えざるを得ない 世界遺産を抹消されてでもハード設備を進めなければいけないときが来るかもしれない そんなときは強行してしまえばいい 世界遺産なんてクソ食らえである
そんなことを谷地温泉のぬるま湯に浸かって考えていた
一向に立ち退かない過去の遺産 これらもまた、心地の良いぬるま湯に浸かり続けているのかもしれない