なおやんの 手記手記 しゅっき〜

なおやんの 手記手記 しゅっき~

痛みに耐えて よく頑張った

ブログタイトル

償いのジム生活

禁句

人に対して、絶対に言ってはいけない言葉というものがある

 

例えば、相手の家族を侮辱するような言葉 これは絶対口にしてはいけない

「お前のオヤジ、死ぬほど株弱そうだよな」

「お前の姉ちゃん、若い頃の重信房子にそっくりだな」

 

2006年ベルリンW杯においてフランス代表のジダンが突如相手チームの選手に対して頭突きを炸裂させたことがあった

当然暴力行為なのでジダンは退場させられ騒然となったが、これはジダンの家族に対して相手選手が侮辱の言葉を発したのが原因という事実が判明してからは、ジダンの行為に対する肯定的な意見が多く聞かれるようになった

頭突きも正当化することができる、家族への侮辱はそれほどの禁句として世間では認知されているのだと当時小学生の俺もしみじみと感じさせられた

さすがにこればっかりは、ジダン(示談)で終えることはできないらしい 笑笑

 

 

 

あとは、相手の故郷に対する暴言

例えば相手が愛知県民だとすると

「お前のとこの知事、犬山のモンキーセンターで生まれたらしいな」

トヨタ関連社員以外全員ダイハツの初期のムーブ乗ってる県でしょ?」

 

これも良くない

でも出身地イジりはよくしてしまうので、実は相手を怒らせてしまってることが過去何度もあったのかもしれない 反省反省

 

 

 

そして、1番言ってはいけないのが、女性に対する「太った?」である

こんなこと言うわけがない ないのであったが この間・・・

 

久々に会った地元の女の子

おそらく本人 いや、本人か?

とにかく、人の形をした明宝ハムみたいなものがコロコロと転がってきたので、思わず「肥えた?」と言ってしまった

本来、発話に至るまでに通るであろう様々な処理工程をすっ飛ばして、ギターの弦をただパイーンと弾いたような、素直でまっすぐな言葉が口から飛び出した

 

しかし、体の変化というものは、SOSでもある

前職のストレスがMAXだったときは毎日鼻血が止まらず、過度な歯ぎしりにより前歯が小2以来にゆらゆらして抜けそうになっていた

これは彼女なりのSOSだと思って聞いたのである 地元の同胞には快活に人生を歩んでいってほしい

 

しかし彼女は傷つき、俺の発言のせいでジムに通う羽目になった

 

懺悔

本来であれば、自身のハラキリ動画をTiktokにアップするのが現代における正しい責任の取り方であると言えるが、それは激痛を伴う反面、短い苦しみでもある

 

目には目を やはり俺もジムに通い、長く苦しい苦痛に顔を歪めるしかない これが、坂本直哉の”ケジメ”である

 

マッチョアレルギー

いや、ジムって趣味の範疇じゃないの?なにを刑罰のひとつみたいに

と言いたくなるかもしれない

 

いや、間違いなくジムは苦行である

だって 「マッチョ」がいるから

 

 

昔から、マッチョが苦手だった

中学のとき、「マッチョ」というあだ名の(名字より命名 本人はガリガリ)奴がいて、そいつのせいで俺と仲の良かったA君が学校に来なくなったことがあった

理由は、Aが便所の個室から変な声出してる!とマッチョが周りに言い広めたからである

それは大便を気張っていたのかもしてないし、1人で変な行為に及んでいたのかもしれない

しかし理由はなにであれ、マッチョがそれを周囲に吹聴していい理由にはならない

それからマッチョが嫌いになった あだ名に相反する体の貧弱さも、最初は面白かったけど嫌いになってからはそれも腹が立ってきた 血と骨だけにしてやろうか

 

そして、「マッチョ」に対する不信感のせいか、その後人生で出会う本物のマッチョ達も受け付けなかった

特にマッチョの目が苦手だった

お前なんか5秒で植物人間にできるからな という、完全な肉体的優位に立っていると確信しているあの目

全てを見透かされているようで怖かった

 

そして、世間で言い伝えられている「マッチョはやさしい」なんて定説も全然アテにならなかった

俺はわかったのである 奴らは「肉体を使う親切」しかしない

つまりハード的親切を好み、ソフト的親切には一切無関心なのである

 

例えば、「南森町駅はどう行けばいいですか」とマッチョに聞くとする

これに対して答えは返ってこない ソフト的な質問は無視を決め込む

しかし

「下水道を通って南森町方面へ行きたいので、非力な私には開けられないそこのマンホールを開けて欲しいです」と頼むと、喜んで応えてくれるし、ついでに方向も教えてくれるに違いない

マッチョに助けてもらうにはマッチョにやる気を出させないといけないのである

 

 

より極端な例を出すと、下の写真のようにホームに高さが2段階ある駅の、低い方のホームから足を滑らせ線路へ転落

足をくじいてしまったので低い方のホームすら上がることができない ホームにはマッチョしかいない となった場合

線路から低い方のホームに引っ張りあげたところでマッチョの肉体の真骨頂は発揮されないので、マッチョは助けてくれない

この場合どうするか

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人の図がパワポでなかったので内蔵で代用

高い方のホームの下まで死ぬ気で這いつくばって進むしかないのである

そこまでいけば、線路とホームにも高さが生まれ、マッチョは筋力を披露することができるので助けてもらえる

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ジムに通う目的

ジムは苦行であった

初日に行ったときなんか、乾杯ととんぼしか知らないのに長渕剛のコンサートに来たような気分になり、吐くかと思った

 

でもこれは刑罰であるので通い続けるしかない 苦しめば苦しむほどそれは償いであると信じ、四肢を痛め続けた

 

 

そんなある日、ふと友人に撮ってもらった自分の写真を見て驚愕した

筋肉モリモリになっていた・・・わけではなかった

昔から猫背ぎみであったのだが、デスクワークによる姿勢悪化も重なり、モンゴロイド人に退化した自分がそこに映っていたのである

思想としては保守的であるのだが、さすがにモンゴロイドまで遡ってそこに帰属意識を見出すことはないので、速攻整体院に通うことに

 

予約して、地図を見ながら店へ

 

 

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ああ店選びを間違えたな と思う

猫背を直したいのである

中田秀夫作品のロケ地巡りをしているわけではない

まず人がこの空間にいるのか いてほしくない気がする いたら困る

でもこの空間に佇む整体院 めちゃくちゃ凄腕かもしれない それか死ぬほどエロいことをされるか

どちらにせよ脱モンゴロイドへ向け、行くしかない

 

 

ドアを開けてみる

中でめちゃくちゃ歯を磨いている男がいた 30〜40代 こいつが整体師だろう

もう全てに疑いを持ってしまっているので、夕方4時に歯を磨いていることも大丈夫かと思えてくる

こんな時間に歯を磨くことある?インチキ整体師故に、嘘を吐き続けた口内の見えない汚れに耐えきれず、無意識に空き時間に歯を磨いてしまうのかもしれない そんなことすら思った

 

 

ただ話してみるとまあどこにでもいる感じの人で、雑談を交わしつつ、症状を伝え、チェックシートに詳細事項を記入し、治療が始まった

骨盤の位置が良くないらしいので、腰のあたりをゴリゴリとやられる

整体に来といてこんなことを言うのもあれやけど、本当にこれで治るのだろうか

人が小一時間弄った程度で形状を変えるような自我のない骨とともに今後も生きていかなければいけないのか

そう思うと、骨達には整体師に言いなりになって欲しくない気持ちさえある

これが本当の反骨精神

頑張れ、骨

 

そして足の指から手の先までゴリゴリとされ続け、最後に仰向けでベッドの上に寝るように言われたので寝転がると、整体師が妙なことを言い出す

「坂本さん、なんで猫背を直したい、とかあります?」

 

その質問いる?

虫歯治療に来た人に対して、虫歯を治したらまず食べたいものは?とか聞かんやろ

「いやまあ 姿勢が悪いと人としても曲がっているというか 真っ当に評価されないというか」

俺は俺で気違いみたいな回答をしてしまう

 

すると、整体師は俺の右手の手首のあたりを掴み、体に対して垂直になるように俺の右手を上げさせる

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こんな感じになるように手首をつかまれた

 

「では、『猫背のせいで社会から評価されなくて嫌です』と口に出しながら、この手を左側の腰骨の方向へ下ろすように力を入れてみてください」

 

俺の心拍数が急上昇する スピリチュアル!ついに来た!

 

ゲロを吐きそうなそのワードをなんとか口にしながら右手に力を入れるが、手首を整体師に掴まれたままなのであまり動かない

 

 

「では、『猫背を直して社会から評価されたいです』と口に出しながら、先ほどのように手に力を入れてください」

 

めちゃくちゃ嫌な予感がする

キショすぎワードをつぶやきながら右手に力を込める 今度も手首は整体師に掴まれたままである

 

動いた!スピリチュアル!さっきと同じ力しか入れていないのに!

 

 

「ポジティブな言葉を発すると、こうやって力が入るんですよ」

整体師は笑う

俺も笑った 満面の笑み

整体師は俺の笑顔をこの現象に対する肯定だと捉えていたようで、満足気な顔をしていた

 

もちろんそんなわけはない 俺の笑みは、自嘲であった

 

小学校の卒業文集の将来の夢、プロ野球選手になりたいと書いた

当時は本気で思っていたのだと思う 信じ続けていれば世の中なんとかなるし甲子園でホームランを打てると思っていた

 

しかし、25歳の俺は、湿った廃墟の一室でインチキ整体師に右手一本で押さえ込まれていた

この状況に対して過去の自分にどう説明をつけようか 許してもらえるだろうか

 

そんな様々な感情が渦巻き、笑うしかなかった

 

 

そして思う

筋肉がないからこんなことになるのではないか

腕の筋力があれば、手首を掴まれようが力ずくで腕を動かすことができた

非力ゆえに、整体師の力加減だけでスピリチュアル現象を起こさせてしまうのである

 

 

この瞬間、ジムに行く目的が変わった

本当の償い それは、筋肉により世のインチキ整体師を一層することではないだろうか

どんな廃墟にでも侵入し、一匹残らず駆逐する それが俺に課せられた使命なのである

 

この整体院は当然これを最後に行くのをやめたが、力をつけて再戦を望みたいと思っている

 

マッチョはすごい

もしかすると、ジムにいる周りのマッチョも、なにか社会的意義のため力をつけているのかもしれない

そんな人間が、庶民の道案内などするだろうか

それくらいスマホで調べろ マッチョをなめるなよ

今後はマッチョに対する偏見は一切捨て、ただただ羨望の眼差しで彼らを見つめ、群れの一員となれるよう精進するのみである

 

 

ちなみに俺のすすめでブログを始めたK氏は俺のジム師匠でもあり、彼は形式にこだわらずジムの楽しさを教えてくれるのでジムを楽しみたい方は彼に教えてもらってください

本来はジムに通う目的なんて必要ありません 念のため

note.com

 

 

 

ただ、明確に倒したい整体師がいる人は僕とともに頑張りましょう